これまでを振り返り、再度、マイクロアレイ解析の流れについて解説します。
下図にマイクロアレイ解析のフローチャートを示します。まずは、発現変動遺伝子の抽出までの流れです。左側にフローチャートの各ステップで得られるデータの形式を表記しています。右側に各ステップで行われる処理を示しています。
- (1) ラベリング、ハイブリダイゼーション。
- (2) スキャン、数値化。
- (3) 正規化(コントロールを合わせる処理。全体の分布を統計的に合わせるもの (global normalization) が主流。
- (4) シグナル値の比較。 ratio (fold-change), Z-score, p-value などを算出する。
- (5) 発現変動遺伝子の抽出。算出された ratio, Z-score, p-value をもとに遺伝子発現が増加(減少)した遺伝子をピックアップ。
ここまでの解析ステップが、マイクロアレイの最も基礎的な解析ステップとなります。このステップで、遺伝子発現が増加(減少)した遺伝子群のリストが得られます。しかしながら、変動している遺伝子(発現に差のある遺伝子)が、どれか分かっただけであり、その後の解析が必要です。通常、数百個から数千個の遺伝子が発現変動しています。
解析のステップとして、次に何をすべきでしょうか?